二人だけの秘密

「………」

美希さんも顔を赤くしており、思考が停止しているように感じた。

「す、すいません」

僕はそう言って帰ろうとした。

「なんで?」

しかし、美希さんが僕の腕を掴み、潤んだ瞳でこっちを見つめた。

ーーーーーードクン。

また、僕の心臓の鼓動が速くなる。

「え、でも………」

僕は緊張のあまり、視線を泳がす。

少し狭い個室に、ベッドとシャワーが設置されている。密室とまで狭くないが、美希さんと二人だけの空間に僕の心臓の鼓動が激しくなる。

「じゃ、喋るだけでお願いします。美希さん………」

「こんなところまで足を運んでサービスしないなんて、やっぱり栗原さんはお金持ちなんですねぇ」

僕が顔を赤くして恥ずかしそうに言ってるのに対して、美希さんはへらへら笑いながら言う。

もうすでに美希さんの顔は赤くなく、バス停まで一緒に帰ったあのときのような顔をしていた。

「まさかこんなところで会うなんて、栗原さんには驚かされました。しかも、高校生で一万五千円も払えるなんてすごいですねぇ」

美希さんは緊張が解けたのか、それとも仕事のせいなのか、馴れ馴れしい口調で言う。その口調が、僕の心音を大きくする。

「僕よりも、美希さんの方に驚かされました。学校以外の場所で会えるなんて。しかも、こんな場所で会うなんて………」

ーーーーーーーほんとうに、衝撃だった。学校以外の場所で彼女に会えるなんて、しかも、美希さんがこんな仕事をしてるなんて………。

彼女が仕事をしてるということは最初に会ったときに知っていたが、まさか美希さんの仕事がこれだったなんて正直驚きの言葉しか出ない。

僕はベッドに座り、美希さんと喋る。美希さんも、僕の隣に座る。

ーーーーーードクン!