二人だけの秘密

「こちらが、店の料金表でございます」

松岡さんは事務的な口調で説明し、僕に店の料金表を提示した。

「………」

僕は、料金表に視線を落とした。

店の料金表はていねいに時間と、金額が設定されていた。一番高いコースはなんと、三万円という驚愕な値段。

ーーーーーー高い。

僕は、率直にそう思った。

「一時間、一万五千のコースでお願いします」

「ありがとうございます」

僕はサイフから一万円札一枚と、五千円札一枚を取り出した。そしてそれを、店長の松岡さんに手渡した。

「ありがとうございます。時間になったら、お呼びします」

そう言って店長の松岡さんは頭を礼儀正しく頭をペコリと下げ、カーテンの外に出た。

ーーーーーーどうやら、この部屋は待合室らしい。僕より先に来ている二人を交互に見ると、そんな感じがする。

「………」

僕は深呼吸をし、白い壁にもたれた。

待合室にある物は、少しリッチに思えた。

小さい書棚に、雑誌が数冊置かれていた。ガラステーブルの上に、ステンレスの灰皿が置かれている。灰皿の中身は空っぽで、吸い殻一つない。それと、気の利いた自動販売機が設置されている。

ーーーーーーサービスいいなぁ。