あの店から少し離れてから数分後、僕はまだ木屋町通りの周辺をふらふら歩いていた。歩いていると、おしゃれな外観が目に入った。さっきの店とは違って高級感が外観から漂い、客引きの男性と思われる男性従業員も若い。
「どうぞ」
若い男性従業員が、明るい笑顔で僕を誘う。
「………」
僕はちらりと、立ててある看板を一瞥した。お店の料金は書いておらず、店名だけ大きく書かれていた。
ーーーーーーちょっと高そうな店だけど、四万円もあれば足りるだろう。
「……入ります」
僕は勇気を出して、ボソッと小さな声を出した。緊張がピークに達し、声が思ったよりも出ない。
「どうぞ」
ていねいに案内された僕は、若い男性従業員の後ろについて行く。
店の中は清潔に掃除されており、白い廊下が綺麗。店内の照明は明るくて、事務の仕事だと思われる男性従業員が忙しそうにペンを走らせていた。


