二人だけの秘密




50分ぐらい経過したところで、バスは四条通りを走っていた。

いつの間にか僕は眠っており、バスの車内はたくさんの人で溢れていた。

「平日の昼間なのに、京都の繁華街は人が多いなぁ………」

そう呟くと同時に、『バスが、四条河原町に到着しました。お降りの方は、前のドアからお降りください』と、バスが、四条河原町のバス停に到着した。

いつの間にか満員になっていた車内も、前から一斉にぞろぞろと降りる。僕も、その人の流れに沿ってバスから降りた。




「………」

平日の京都の繁華街は、どこもかしこも人だらけ。スマートフォンを片手に視線を落としながら歩いている人や、耳にイヤホンをつけて歩いている人。

ほんの数年前まではインターネットなんか僕には知らない言葉だったのに、今は情報化社会と言われている世の中だ。今の世の中、情報を活用するにもテレビから、インターネットに変わりつつある現代社会。

この京都の街の姿を見ると、スマートフォンは今の日本の社会の生活の必需品だと言うことが分かる。

「………」

カラオケ店や、パチンコ店。コンビニや、ゲームセンター。百貨店や、洋服屋。四条河原町を人の流れに沿って歩いていると、様々な物が目に映る。それと同時に、喋り声が耳に届く。

昼間の時間帯のせいもあってか、四条河原町を歩いている人は、ビジネススーツを着た営業マンが多い。

ーーーーーー仕事は、みんなはしないといけないか。

「はぁ」

美希さんの言っていた言葉を思い出し、僕はため息をこぼした。

「んっ!」

そのとき、僕の目に張り紙が飛び込んだ。コンビニの壁に、『高校生アルバイト求人募集!時給850円』という、人手不足を感じさせる張り紙がしてあった。

「美希さん………」

ふと、彼女が学校の帰りに仕事をしているということが頭によぎった。

高校生のアルバイトは校則では禁止されてないが、彼女がどこで働いているのか気になった。

「ダメだ。ダメだ」

一瞬、ものすごい勢いでこみ上げるストーカー行為を首を左右に振って抑え、美希さんは学校にいるということを頭の中で意識させる。そしてその場から、早足で離れた。