二人だけの秘密

「でもその彼氏も、彼女が強姦されてよかったと思ってんじゃねーか」

「え!」

「え!」

僕と若い女性は若い男性の発言を聞いて、同時に驚きの声を上げた。

「ど、どういうこと………」

若い女性が、若い男性の方に視線を向ける。

「だから、本当は彼氏さんも嬉しかったんだと思うぜ。考えてもみろ。風俗嬢が、彼女なんておかしいだろ」

「は!」

その発言を聞いて、若い女性が納得した表情を浮かべた。

ーーーーーー僕は、分からない。

「だろ〜。きっと、彼氏さんも別れを切り出せなかったんだと思うぜ。きっと今まで色々お金の面で助けてもらっていたから、言いにくかったんだよ。要は、彼氏は彼女のことを金づる女としか見ていなかったんだよ。だから、強姦した男子大学生を復讐しなかった。彼氏じゃなく、代わりに父親が復讐した。マスコミの取材にも彼氏さんは応えてないし、本当の彼氏さんなら大切な彼女があんなひどい目に遭ったら、普通取材を受けて加害者を全面的に訴えるだろ」

若い男性は自分の推測を、自信たっぷりに話す。

ーーーーーー確かに一般論の見解では、そう判断するのが普通じゃないだろうか。

「………」

でも、風俗嬢がなぜ、今の日本の社会から批判的に見られているのか分からない僕は、ただただ考える表情を浮かべた。

「ま、俺たちには関係のない話さ。風俗で働く女は普通の女じゃないし、ネットに書かれていたその彼氏も、彼女に風俗で働かせるなんて普通の男じゃないわ」

そう言って若い男性は、自分の体の方に若い女性を引き寄せる。

「………」

若い女性は若い男性の肩にもたれ、顔をリンゴのように赤くした。

ーーーーーー不快だ。

僕は、そう思った。