二人だけの秘密




『4月10日《木》午後4時30分』



あの後、僕は職員室に呼ばれ、担任の佐藤先生から反省文を渡された。どうやった経緯でハサミを投げたか?なぜ、ハサミを投げたか?自分がやった行動に、しっかり反省出来てるか?それを反省文にしっかり書いて、二週間後の学校に提出するように言われた。

ーーーーーーつまり僕は、二週間の謹慎を受けたのだ。

15平米程の狭い会議室。長机が中央に配置されており、それを囲むようにパイプイスが四脚置いてある。

みんなが学校から帰った後、担任の佐藤先生が僕の家に連絡したのだ。

僕と母が隣同士で座り、先生とは向かい合わせで座っている。

「今まで私も長いこと教師をやっておりますが、こんなハサミを投げる生徒は初めて見ました」

重い空気の中、担任の佐藤先生が口を開いた。呆れたような表情を浮かべ、首を何度も傾げている。そして、長机に肘をつく。

「すみません。すみません」

母が、泣いて謝る。ピンクのハンカチで涙を拭い、ペコペコと頭を下げる。

ーーーーーーうざ。てか、お前らのせいだからな。お前らが療育手帳を学校に持って行かせたから、こうなったんだからな。全ての原因は、お前らやしな。分かってんのか!

療育手帳を無理やり持って行かせた昨朝の両親とのやり取りを思い出し、僕は心の中で怒りをぶちまけた。