二人だけの秘密

「嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

見ていた悪夢が現実になって、僕は声を上げて泣いた。

現実が受け入れられない。悪い夢なら、もう覚めてくれ。

そう願ったが、痛みを感じる自分の体がリアルだと無残にも教えた。

「朝から突然泣くな、未来。うるさいやろ。早くごはん食べて、学校行け。遅刻したら許さんへんぞ」

こんな状況でも、父親は学校に行けと言う。

学校がそんなに大事なんですか?勉強がそんなに大事なんですか?悲しみにくれる時間さえも許してくれないんですか?

「未来、静かにしなさい。叫んだら、近所迷惑になるでしょ。男なのに、声を上げて泣くなんて恥ずかしいやろ」

僕の心配一つせず、母親は世間体を気にする。

そんなに世間体が大事なんですか?好きな人が亡くなったのに、男だからという理由だけで声を上げて泣くのも許されないんですか?

血が出るぐらい、僕は下唇を強く噛みしめた。

美希さんとやり残したことは、まだまだたくさんあった。そして美希さんはやっと、苦労の末に裕也に告白するつもりだったのに………

もうこの世にはいない彼女のことを思い出すだけで、僕の目に涙が込み上がる。