二人だけの秘密

昨日ネットから美希さんが働いていた風俗店の公式ホームページを調べたが、彼女の名前はすでに削除されていた。それと同時に、彼女の日記も削除されていた。

「………」

僕と美希さんだけの秘密の日記が消えたことによって、なんとも言えない気持ちになった。彼女の日記が削除されたのはもちろん悲しかったが、これで美希さんが爆サイに書き込まれることはない。

「行って来る」

「行ってらっしゃい」

母親にそう言って、僕は外に出た。

外に出ると、不吉なことが起きそうなドス黒い巨大な雲の塊が空を覆っていた。陽は昇っているのに、その雲のせいで少し暗く感じる。まるで、不幸が降り注ぐような黒い雲。

「春なのに、嫌な天気だな………」

僕は空を見上げて、顔をしかめた。