二人だけの秘密

「クソ」

僕は自分にイライラし、今朝の朝食を慌てて口の中に入れた。

まだほんのりと温かい白いごはんが僕の口の中に入り、口を動かすと同時に、白いつぶつぶとした米が潰れる。そしてプラスチック製の赤いコップに注がれた、冷えたお茶をゴクゴクと飲んだ。

「めずらしいわね。いつもは休みたいとか言ってダラダラしてるのに、今日はこんなにもテキパキ動くなんて………」

母親は一重の細い目をかっと見開いて、僕を見つめる。

ーーーーーー当然だ。今日は早く学校に行って、先週のことを美希さんに謝るつもりだったんだから。

「………」

僕は無言のまま、慌てて学校の制服に着替えた。一年近くネクタイを締めているせいか、少しはうまくなっていた。

リビングには口うるさい父親の姿はなく、朝早くから会社に出勤したらしい。