私は仏壇の前に飾ってある母親の遺影に手を合わせた後、思い出の中学生の卒業アルバムを手に取った。ペラペラとめくり、私の一番好きなページを開いた。

「裕ちゃん」

それは、私と裕ちゃんが一緒に写っている思い出の写真。写真の中で裕ちゃんは笑っており、私は顔を赤くしていた。

「ダメ」

私は、卒業アルバムをバタンと閉じた。裕也のことは好きでいたいけど、彼のことを幻滅させたくない。

「裕ちゃん。私の仕事知ったら、きっと嫌うだろうな………」

裕ちゃんに今の私の仕事をバレたことを想像すると、死にたくなった。

「でも、後少し………。未来さんも私の秘密を守ってくれてるし、このままいけばきっと大丈夫」

そう自分に強く言い聞かせ、私が普通の女の子に戻っている姿を想像すると、心がハッピーになった。