二人だけの秘密



『8月1日《火》午後2時50分』




「さっき死の運命から、未来を救わないといけないとか言っていましたけど、あなたの好きな人が死ぬんですか?」

かなさんは心配そうな顔で、僕に訊いた。

ーーーーーードクン!

僕の頭の中に、美希さんの姿が浮かび上がる。

「まだ分からないけど、死ぬ夢を何回も見ました」

僕は、小さな声で答えた。

「夢かー。だから、そうならないように未来を変えたいんだね」

「は、はい」

僕は、首を縦に振った。

「夢の中で、なんで死んだかは言ってなかったの?」

細い首をかしげて聞く、かなさん。

「夢の中では好きな人の死の一部分しか見れてなかったので………」

「そう………」

かなさんは、心配げな表情をまた浮かべた。