二人だけの秘密


閑静な住宅街にある僕の家は大きく、それと同様に周囲の家も大きな家がたくさん建ち並んでいる。

なだらかな坂道を下り、最寄りのバス停に向かう。

最寄りのバス停に向かっている途中、左手に桜の木が僕の目に見えた。満開に咲いているピンク色の桜を目にすると、自然と春を感じた。そして、近所のおばさんがゴミ出しをしている姿も見えた。

バス停には僕を含めても数名しかおらず、道路を走る車の数も少ない。京都の桜の木にピンク色の花が満開に咲き誇るのは今週がピークと言われており、昼間から夕方の時間は観光客が非常に多く訪れて撮影をしている。と言っても、毎年この季節になると桜を目にする僕にはあまり興味がない。

五分ぐらい過ぎたところで、僕の乗るバスがやってきた。バスがバス停で停まり、後ろのドアがプシューッという音と共に開く。それと同時に僕は、開いた後ろのドアからバスに乗り込んだ。

通勤ラッシュの時間帯のせいなのか、くたびれた顔をしたスーツ姿のサラリーマンが多い。それでも車内は人が少なく、空いてる席も多かった。空いてる席に窓際があったので、そこに僕は座る。

「………」

目まぐるしく移り変わる景色に僕は、呆然と車内から外を見つめる。