二人だけの秘密

「坂口かなです。よろ……」

「その指輪、誰か大切な人でもいるんですか?」

僕はかなさんの話を遮って、質問した。

「え、これですか?」

かなさんは少し戸惑った様子で、左手薬指に視線を落とした。

「うーん。出会ったばっかりなので、秘密です」

「頼む。僕は好きな人の死の運命から、未来を救わないといけないんだ」

愛想笑いをしていたかなさんをベッドの上に押し倒し、興奮気味に話す、僕。

「えっ!」

突然の僕の行動に、かなさんは驚きの声を上げた。

「爆サイという掲示板から、あんたのことが書かれていた。それを見て、僕は今日店にやってきた」

「………」

かなさんは何も言わなかったが、そのサイトを知っている表情をしていた。