「はい、集まったね、では、クリエイティブの皆さんには、大物たちの担当お決めてもらおと思います。」

夏休み前の学年集会のあまり時間。
10月のはじめに開かれる文化祭の役割決めが行われた

私は衣装製作や背景、パネルなどを、裏方を担当するクリエイティブ班になった。

「どれやる?」隣から声がして、振り向くと、3年間同じクラスの笹木朱里(ささきじゅり)がもらった紙を指差しながら、たずねてきた。

私、槻杏樹(けやきあんじゅ)は、その紙を見ながら、ずっとあの子のことを考えていた。




今年はいまはやりのロミジュリをすることになった


私は、背景担当になった朱里も別の背景の担当に立候補した。あの子は、とめを向けていると、

    ドキン

あのこもこっちをみいた。重なりあう視線、

2秒もたっていないのに長い間に思えた。


心が持たない