音のうるささに耳を塞ぐ、
…帰りたいです、帰りたいです。
そう思っているといると…
「…あれ、?」
「ふふふ…、奏音も聴き惚れた?」
結衣はそう言うと奏音の顔を見てニコッと優しい笑顔を向ける。
…怖い、人だって思ってたのに…、
その声は澄んでいて、
時々聴こえるハスキーな声があたしの心を掴んで離さない。
ドキドキ、します…
「…声、綺麗な方なんですね、」
ポーっとした表情で姫山先輩を見つめる奏音。
「そうでしょ?
…あたしもだから好きなんだぁ、Devil」
つかさず奏音の言葉に反応した恵が言う、
「…あ、次の曲始まるわよ?」
そんな結衣の声を合図に、突然大きな音が鳴り響く、
―バタッ
…その中で聞こえる何かが倒れるような音。
「……奏音っ??」
その声と光景にボーカルの声も止まる。
「あら…、音が大きすぎて失神しちゃったみたいね、」
冷静に結衣ちゃんが言う。
そして奏音の意識は遠のいて行く…

