少し息苦しくなると同時に口の中に広がる甘い味。


…そして、周りの視線。




「あ、奏音ちゃんと間接チューしただろ、お前!」


…か、か、間接…っ?!?!



「…だって、蓮二が妬いてて面白かったから」


愁はそう言うと、ケラケラ笑ってまた袋からクッキーを取り出すと自らの口に運ぶ。



そしてそんなことを言われて黙っているハズがないのがこの人、


「だ、誰がこんな変態女…っ!」

変態、女…?


「…何ですか!

変態、なんかじゃないです!」


「変態だろ!?…愁と、


愁とその…、し、したじゃねぇーか!」


「違いますもんっ!

…あれは、不可抗力です…」



するとだんだん元気が無くなってく奏音。


それをちょっと言い過ぎたかな…、なんて表情で見る蓮二。



「…まぁまぁ、2人供、ね?」


「落ち着け、
…大体、たかがそれくらいで」

結衣ちゃんに続いて山瀬先輩がそう言うと、バンッとテーブルを叩く音が聞こえてビクッとする。




「…何かお前といると苛々する、」



そんな捨て台詞を残して、蓮先輩は食堂から出ていってしまった。