そんな二人を見ながらボーっとして、またあたしの視線はステージへ向けられる、
「…ったく、この話はまた後でね?結衣、
で、後ろのドラム担当は…大塚先輩っ」
また今度は可愛らしい女の子のような顔をしている人で、
「…男の、子?…なんですか?」
「あったりまえじゃーん!
大塚愁先輩、…先輩とか年上に人気だけど、中身は小悪魔タイプって噂」
小悪魔な先輩かぁ、
奏音は4人中、3人の紹介をしてもらって、最後は…
そう思って目の前を見る。
「…最後は、姫山先輩ね」
隣で落ち着いた声で結衣ちゃんが言う。
っ!!
「…怖い、で…すっ」
その“姫山先輩”を見た瞬間、真っ青になる奏音の表情。
「あー、姫山先輩はね、Devilの中でも1番人気なんじゃない?
…あの整った顔と声が女を引き寄せるらしいよ~」
赤い髪にシルバーのピアス…
これはあたしの中じゃ考えられない!
…他の人達もそうです!!
こんな恐ろしい人達…、きっとろくな事を考えてないんじゃ…っ、
そう思っているうちに曲が始まる。
「…キャーっ!
始まったぁ!…あーん、山瀬先輩っ」
恵ちゃんの声だけではなくその他のたくさんの女の子達の声が聞こえる。
…耳、が痛いです。
「…結衣ちゃん、音がぁ…」
必死にそう言っても、
「…?」
大音量で何も聞こえていないようで、

