でも冷静にさっき京香さんがおっしゃったことを考えなおしてみると…あれれ?といった疑問な部分が浮かび上がってきまして。
丁度良い…?
それは一体どのような意味なのですか、ね?
「蓮二くんはあたしとデート!!」
さっきのあたしへの態度はまるで幻だったのでは無いかと思われるくらいに、京香さんは可愛らしいなんてもんじゃない可愛らしさで蓮先輩を見上げていました。
最近の女性はそうやって好きな男性に自分への好意を持たせるのですか…??
何てまた一人で考える奏音。
って!!
そうじゃないですよ!
いくら何でもですよ、例え今この場に隕石が落ちてこようと宇宙人が降臨しようと…蓮先輩だけは譲れませんっ!
奏音は珍しく意気込んで一歩前に進む…が。
「何?」
目と目があった瞬間。硬直してしまう奏音さん。
さっきまでの意気込み具合はどこへ行ってしまったのだろうか…?なんて思うけど。
「ちょっと待て!!俺はお前と一緒に居るなんて一言も言ってねぇ…」
その京香さんとぶつかった視線を斜め横にずらすと、不機嫌そうな蓮先輩と視線が重なり…
けど先輩が見ているのはあたしでもなければ京香さんでも無くて、
あたしの、後…ですかね?
そう思って後ろを向こうかなんて考えている間に自分の置かれている状況が今更になって発覚するのでした。
お腹あたりにある…“腕”?
頬に微かに当たるのは“髪の毛”??
「…っ?!うぎゃぁ!!!」
何だこの奇声は。
しかしこれは“不可抗力”というものだと。思う…

