あるところに、
とてもホワホワした雰囲気を持っていて。
とてもメルヘンチックな女の子がいました。
その女の子の名前は…
【桜木奏音 サクラギ カノン】
そしてこのお話は、そんな女の子の“恋”のお話。
―只今、午後1時。
「奏音っ!!
…Devilのライブ始まっちゃうよ〜!」
「…行きたいのなら、恵ちゃんと結衣ちゃん二人で行って下さいっ」
淡いピンクでヒラヒラしたロングスカートに頭にはレースのカチューシャをしている…
お目目はパッチリ二重で、
お人形のような…いかにも、って感じのこの女の子。
そうです。
この子がこのお話の主人公。
「…ギターの山瀬先輩を見に行きたいんだってば!
もう、本当!たまんない!」
友達の恵ちゃんはそんなことを言って一人興奮気味。
恵ちゃんという子は、黒髪のショートカットで“ボーイッシュ”って感じ。
「恵…、
とにかく、奏音?せっかくの文化祭なんだから行こう?」
こちらは清楚で綺麗なお方、淡い茶色の長い髪がとても美しい。
歳の割には落ち着いた雰囲気を持っている女の子。
「…結衣ちゃんが言うなら、」
奏音は結衣ちゃんの言うことなら聞くようで…、
コクンと縦に頷いた。