【短】恋がはじまるそのときは、




不思議に思っていると、優にぃが一言。


「お前……女、なんだな」

「……っ、え?」

「体、やわら……あー、嘘。今の忘れて。なんでもねー」


顔を真っ赤にして取り乱す優にぃに、わたしは恥ずかしいという感情を忘れてびっくりするばかり。


今、“体、やわらかい”って言おうとしたよね?


わたしのこと、女だって言ったよね?


……っ、これってもしかして、わたしにドキドキ、してくれてるの?


そんな思いもつかのま。


「おま、はやく離れろ……みんなも、見てる」


やっぱり真っ赤な優にぃは、わたしから目をそらして頰をかく。