【短】恋がはじまるそのときは、



真剣な優にぃの瞳。


まつげ、長いな……きれいな二重……なんて思って、じっと優にぃのことを見ている自分に気づいて、恥ずかしくて、そっと視線をそらして、わたしはまぶたを伏せた。


そしたら、触れたのは。


ーー優にぃの、おでこ。


「え……?」

「ん、熱はねぇな」

「ん……?」

「いや、無理にほっぺつまんで悪かった。みこがボーッとするなんてないからさ、熱あるんじゃねーかと思って」

「あっ、な、なるほどね!」


なんだ、なんだ、そ、そっか。


勘違いをしていた自分が、めちゃくちゃ恥ずかしいじゃん。


優にぃって、こんなに無自覚たらしだったっけ……?