あなたへ

~short story~

「声が・・・聞きたいなぁ・・・」
満天の星空を見上げつぶやいてみる。
あと2ヶ月・・・
「うん。あとちょっと!頑張らなきゃ」

・・どんなに自分に言い聞かせても・・・

「さみしい・・・な」

こんな星空を見るとあなたを思い出してしまう
前髪を引っ張る癖。少し首をかしげて話す癖
目を細めて微笑む癖
たくさん知ってる・・あなたのこと

「綺麗だなあ。」

瞬く星と輝く月
あなたも見てるかなあ?
今・・何してるんだろ・・

・・ふとした瞬間うつむきそうになる・・
思い浮かぶのはあなたの顔
うつむくと涙が出そうになるから
その度必死で顔を上げる

「・・メールだ・・誰だろ?」
携帯から鳴り響くお気に入りのメロディー

「・・・タイミング・・・良すぎ・・・
 せっかく泣かずに頑張って・・るのに・・・」
いつだって私に涙を流させるのはあなた
ー外に出てみてよ。星がすごくキレーだぞ!
  また一緒に星みようなー
たった2行の文章でも何よりうれしい言葉
それだけで涙が止まらない

星空に飛ばす あなたへの想い
いつか届くその日を夢見て
今日もわたしは星を見上げる

  ~END~