帰宅してすぐにリビングのソファーに寝転ぶと、ゆっくり瞼を下ろした。


真樹の一挙一動にバカみたいに一喜一憂して、自分でもどうしようもないくらい振り回されている。

喜んだり、ドキッとしたり、苛立ったり、不安になったり。

こんな感情、久しぶりだった。あまりにも久しぶりで忘れかけていたけれど、これは、間違いなく恋だった。



「どうしよう……真樹のこと、好きになっちゃった」



流石の私も、この歯止めの効かない感情の正体に気づいてしまった。いや、ついに気づかないフリを出来ないところまで来てしまったのだ。


「はぁ」


この気持ちが恋だと気づいてしまった私は、ソファーに寝転んだまま何度となく真樹が今どうしているのかを考えた。

藤田さんと仲良く話しをして、良い雰囲気になって、このまま帰ってこなかったりするのだろうか。

それだけではなく、もう、あの掟も必要なくなってしまうかもしれない。もう、一緒にゲームもできなくなってしまうかもしれない。

そんなネガティブなことばかりを考えては私は熱くなる目頭をぎゅっと抑えた。