「河合さん!今度、河合さんの家でゲームしたいです!一緒にゲームしましょう!」
午前勤務が終わり、リフレッシュルームと呼ばれる休憩室でお昼ご飯を食べていた私。そんな私の元に誰かが駆け寄って来るような気配を感じると、その本人は私の目の前にあるテーブルにドンと両手をついてそう言った。
「え?」
一体、彼は何を言い出したんだ。
あまりにも唐突すぎる言葉に、私はただ目を丸くして目の前にいる茅ヶ崎くんを見た。しかし彼は、そんな私に怯む様子も自分の発言を撤回することもしなかった。
「だから、僕、河合さんと一緒にテレビゲームしたいです。ほら、スイッチとかお互いしてるじゃないですか? それを、河合さんとしたいです!」
自分の発言を撤回するどころか、自分の意思を更に強く主張してくる。
「いや、うちは真樹もいるから……」
「僕は深川さんいても構わないんですけど……あ!それなら、僕の家でも!」
「え、え? いや、待って。そういう問題じゃないと思うんだけど……」
恋人のいる私を自分の自宅に誘うとは、普通ならそういうことだろう。
だけど、彼はきっとそうじゃない。この純粋な瞳は、ただゲームを一緒にしたいとそう言っているに違いない。

