それからは勇太が私をこき使おうとすると、徹が助けてくれるようになった。



「おい徹。なんでいつも邪魔すんだよ。」



「杏奈が可哀想だからじゃないか。俺が入るまでさんざんこき使ってたんだろ‍?」



「こいつはそれでいいんだよ。」



え、なにそれ。さすがに酷くない‍?!



『良くない!勇太、私を道具みたいに思わないでよね!』



「チッ!うぜえ」



勇太はどっかに行ってしまった。



「ごめんね、杏奈。あいつ根は悪いヤツじゃないんだけど…」



『……うん。徹は優しいね!』



そう、こうやって助けてもらってるうちに好きになったんだ。


しかも初恋。


そしていつの間にか、勇太は塾をやめていた。