6月の梅雨時。
じめじめとした空気と暑い気温。
制服も衣替えが始まった頃。
特に代わり映えのしない高校二年生の夏を目の前にして、面倒くさい期末テストの日程について先生が話している。
自慢の腰まで伸びたロングヘアー。
うだるような暑さに邪魔を感じつつ頬杖をつきながら内容半分で聞き流す。
「あ。」
一時間目は体育なのだろうか、
ふと教室の窓の外に目を向ければ、グラウンドに集まる三年生の姿が見えてきた。
クラスメイトに囲まれて真ん中でキラキラした笑顔が似合う短髪の爽やかな彼。
山崎大地先輩。
バスケ部のキャプテンで、女子の憧れの的。
今日もカッコいいなあ~。
そんなことを思いながら、しばらく窓の外を見つめていた。