「用がって…さっき言っていた―。」




"花嫁って事?"

と言おうとしたら不意に1階から物音が聞こえ口を閉じてしまう。




すると私を抱き締めたまま彼は舌打ちして、


「チッ…起きたのかよ」




彼の呟くような言葉を聞いて両親が起きたんだと察した。




私の部屋があるのは2階だから

階段を上ってくる足音が微かだが聞こえてくる。




「おい、しっかり掴まっていろよ落ちたくないならな!」




助けを呼ぼうとした時、


彼は私を一度離せば背中と膝裏に両腕を回して抱き上げる。