思い切って声をかけてみた。


「……あ、千代」


そう言った飯田くんは、優しく笑った。



「今日は寝てないじゃん」

「そっ、そんな。毎日電車で寝ないよ」


飯田くんにからかわれて、顔が熱くなる。


へへっと笑った飯田くん。

その声、耳が溶けそう……。



「そうだ千代、今日電話していい?」

「えっ!ホントに!?」

飯田くんの口から思いもしなかった言葉が出て、あたしは大きな声を出してしまった。



「うん」

「もちろんっ!あたし、家帰ったらすぐ電話するーっ!」


どーしよ、ワクワクが止まらない!



今あたし、世界で一番の幸せ者かも……!