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ガタンゴトン……。



「ねねっ、飯田くんっている?」

「わ、わかんないよーっ」



帰りの電車。
りぃとあたしは飯田くんを探していた。


飯田くんを見かけたら、絶対にすぐわかる。

あたしはそんな自信があった。



駅にとまり扉が開いて、ホームから乗車してくる人たちを見つめていると、なんだか見覚えのある姿を見かけた。



「あっ…!」

「えっ、なになに!?」



そこには、昨日見た飯田くんの姿があった。


「千代、声かけてみてよっ」

「ちょ、りぃ!」


りぃに背中を押され、あたしは半ば無理やり飯田くんの方へと駆け寄った。



「あの……っ、飯田くんっ」