「どこの学校かも知らないんでしょ?」

「う、うん……一応連絡先は知ってるんだけど……」


……ホントだ。

あたし、飯田くんのこと何も知らない。


「今日も電車乗ってるの?」

「今日は見てない……」


飯田くんは、あたしに興味なんてないかもしれない。

もしかしたら……彼女がいるかも。


ぼんやりとそんな事を考えていると、りぃがいきなり席を立ち上がった。



「あっ!」

「……?」


りぃは何かをひらめいたみたいで、あたしをじっと見つめてキラキラしている。


「花火大会、誘ってみたら?」

「花火大会……?」