『次は○○駅ー……』 あ、降りなきゃ……。 「あ、あのっ、あたし降ります……」 「……ん、そっか」 な、なにっ? そんな寂しい顔して……。 プシューと扉が開き、あたしは電車から降りようとする。 少し飯田くんの方を振り返ると、ふんわり優しく微笑んでいた。 「じゃあ……」 あたしが戸惑いながら言うと、飯田くんは 「千代……ばいばい」 ―――ドキン 胸が高鳴り、あたしは思わず息を飲んだ。