「 ん、ほら行くぞ 」


そう言って彼は、私の荷物を持ってくれる。

これはいつもの事。


いつも正門の前で待っててくれて…これがホントに嬉しかったのに…。



今はとてつもなく、苦しい……。


でも、待っててくれた以上一人で帰るなんて言えなくて。


少しでも一緒にいたいと思ってしまって。




「 うん、帰ろっか 」



私は、そう返事をしてしまった。