*菜摘side*
「菜摘ちゃーん」
「菜摘ちゃんっ」
“菜摘ちゃん”
そう呼ばれることが多くなったこの頃。
私はあの3人と仲良くしていた。
みんないい子で、みんな優しい。
憧れだった、友達と寄り道も
毎日のようにしている。
「ねーねー、今日どこ行く?」
「んー、じゃあ新しくできたカフェはどう?」
「うんうん!それいいね!」
「……」
……ときどき、
周りの話に付いていけない時もあるけど。
それでも私なんかと一緒にいてくれる人がいる。
それだけでも十分幸せ。
「あっ、私購買行ってくるね」
「うん!菜摘ちゃん気をつけてねー」
澪ちゃんにそう言い手を振って、私は購買へと走った。
うちの高校の購買は、メロンパンが美味しいと評判で、最近は売り切れがほとんど。
1度、花音からもらって食べたことがあるけど
あの程よい甘さと言ったらもう……!
私はワクワクしながら購買へと走っていく。