意識が浮上する、体に力が入っているのがやっとわかってくる


部屋の蒸し暑い感じはしない、むしろ心地よい感じがする


暑すぎず、寒すぎず、それに体を包むように風が吹く


「…んっ」


ぱっと目を開くのと同時に身を起こす


はっきり言えば混乱した、見たことも触れたこともないそんな植物の様なものが当たり一面にある

自分の寝ていた所はベッドの様だけど脚がなくて、ふわふわと不規則に揺れていた


「大丈夫?」


鈴の音の様な綺麗な声を耳をかすめた


その方向に目をやれば、到底日本人とは思えない出で立ちの少女らしき人が日本語を使っていた


もう、自分で何を考えているのかよくわからない


ミルクティの様な髪に茶色の目


フワッと微笑んだ姿がとても愛らしい


「私ラフリア、あなたは?」


「ひ、ひま、日葵、佐藤日葵」


動揺が声を伝って外にでる


「サトウヒマリ?変わった名前だね~、その服も変わってるね!!でも可愛い」


間延びした喋り方に、のんびりとした感じの雰囲気


「ね、ねえ、ここは…」


「地の国が誇る植物園だよ~」


ちの、くに・・・・


じゃあ、ここは日本じゃないってこと、少なくとも私がいた施設じゃない


「ヒマリはどこから来たの?私が水を上げに来た時にはそこで倒れてたからびっくりしたよ~?」


そと、言って何もないただ地面が見えている場所を指さした


「あそこじゃ痛いかなぁって思って」


運んでくれたんだ…


「引きづってきたの!!」


引きづってきたの⁉


な、なんとも反応しづらいというか、なんというか


「あ、ありがとう…?」


「…それで、ヒマリはどこから来たの??」


話の腰をぼっきり折ってきょとんとした顔を向ける


「えと、日本から…」


「ニホン?私が聞いてるのは本数のことじゃないよ~」


あぁそっか、日本って二本でもとれるか…


真面目にそんなこと考えたの初めてだよ


「日本っていう国があって、そこから」


「ニホン…に、に、ニホン…?あっ!!」


考え込んでいた顔を上げてキラキラとして私に迫る


「あれだよね!!本で読んだことある!!こことは別の世界にある世界の国の1つでしょ!!白に赤の丸の旗!!」


確かに日の丸のかかれた日本のことだけど…


ん?


「違う世界ぃぃぃぃぃ⁉」


「わぁぁ⁉び、っくりしたよ~?」


いや、びっくりしたよ~とか言ってる場合じゃないから⁉
どんなに頭ぶっ飛んでてもそんなこと言わないからね!?
どこの中二病だよ!!


え?でもこの子がそんな冗談で言ってるようにも見えないし…


「ほ、ホントに?」


「うん!!でも、不思議だねぇ…あんまり私と変わらないんだね~初めてニホンの人見た!」


くるくると私のベッドの周りをまわっている


「か、帰れるの…?」


突然まぶしくなって、起きたらここにいて…


何がきっかけだったかなんて、わかんないよ!