暑さも極まってきた頃

じっとりとした感じが髪を首に張り付けさせる


「あーつーい…‼!!」


「日葵(ひまり)ちゃんそんなに暑いって言ってたら余計に暑くなっちゃうよ?」


施設の食堂でかき氷を頬張り頭がキーンとなりながらそんな会話をかわす


だって8月だよ⁉日本どうなってんの⁉暑すぎでしょ!!


まっとうな中学3年生にはつらいよ!


「この暑い中なんでクーラーつかないのぉぉぉ!!」


「しょうがないよ、けーひさくげんのためって園長先生言ってたでしょ?」


「経費削減でしょぉ…でも暑いよ!明日はクーラーつけてくれるかなぁ…」


「誕生日だもんね、日葵ちゃん」


誕生日にまでこんなに暑くちゃやってられないよ!


ぶーぶーと文句を言いながらも幸せな日々を送る


ここは、いろんな事情で両親がいない子供が暮らす学園施設


私は生まれてすぐの時にこの学園の前に置き去りにされていたらしい

夏の朝の事だったと聞いている


だから、本当の誕生日を私は知らない


頭がキーンとしながら寂しい事を考えていた


(ママとパパに会いたいな…)