side つり目





「だからぁ、あたしゃそんなに優しかねーっての〜」


「飲みすぎだよ!水飲め!」







閉店まで待ってお疲れの中りんの愚痴に付き合わされてる俺と山ちゃん。

事の発端は遡ること2時間前。








閉店30分前に携帯の事務所に押しかけて森ちゃんに仕事を教えてる高木ちゃんを睨みに睨んで圧をかけたのが始まり。
あ、俺じゃないよ。りんね。



「り、りんちゃん……」


ビビってるのは森ちゃん。
高木ちゃんはあくまで冷静。
覚悟決めてんだろうな。


「高木ちゃんさ」



「…………」


俺までヒヤヒヤしてるよ。



「このあと暇?」



「え?」
「え?」
「え?」



キレイにハモった男3人の低い声。
予想外すぎて。



「あたし串焼き食べたいんだけど」


「えっ…と……」


「つり目は奏太捕まえて来て。高木ちゃんの連勤とか知ったこっちゃないから。マネージャーの奢りで。森ちゃんは?」


「あっ、僕はパス〜」


「高木ちゃん、来なかったらギロチンだからね?」





、、、と。

強制連行に至ったわけで。


山ちゃんは超嫌がりながらも来てくれたけど、まだ高木ちゃんの姿はない。
いや、これ完全ギロチンだろ。