『はははっ悪い悪い』とまるで島田さんのようにおちょくられて若干イラっとしかけた。

……ん?


島田さん?


…………。



「あぁ!!!」


「何?びっくりすんじゃん」


エレベーターを降りて部屋までの廊下を歩いてる途中、気付いてしまった。



前からちょくちょく島田さんと誰かが似てるような気がしてて。
山野さんもまた誰かと似てる気がしてたけど。


「島田さんと山野さんがそっくりなんですね!!!!!」


「はぁ?」


「よく聞けば声も似てます!喋り方が違うから気付かなかったけど…、似てます。スッキリしました」


「ちょっと、ゆーちゃん、それどういうこと?俺があいつみたいに馬鹿っぽいってこと?」


『待て待て待て』と失笑する山野さん。
もしかして怒らせてしまっただろうか。


「ば…馬鹿っぽいことはないですけど、なんて言うんでしょうか、ふとした瞬間が似てるんです。悪口じゃないですよ!」


「悪口じゃなくてなにがいいんだよ…。あいつのいいとこ全然見当たらねーんだけど」


これは怒っていると言うより落ち込んでらっしゃる…。
島田さんもいいとこくらいありますよ…。


例えば………………。



例えば…。



例えば………?


デリカシーがなくて…
自己中で…
子どもみたいで…
すぐ人をバカにして…



………………。



荒木、失言。



「本当にすみませんでした!悪気はないんです!まったくないんです!本当にごめんなさい、すみません、申し訳ございませんでした!!!」


「そんなに謝ったらしまに失礼じゃね?」


ああああああああ…。


また、失言。


「…………………」


「嘘だよ、しまだったらどんだけ貶しても気にしねーって」


………そっくりだ。
ケラケラ笑ってからかってる。


「ゆーちゃんわっかりやす!しまがハマる理由も分かるわ。じゃ、また後で」


ゲラゲラ笑いながら部屋に入って行ったけど、笑い声で航起きちゃうじゃん。