職場恋愛

玄関先にいたのは喫煙組の方たち。


「遊ぶぞ」


山野さんの声に反応したつり目さんが飛び起きた。


「夕飯まで3時間ある。腹空かせるぞ」

















そうしてやってきたのは、旅館の目の前にある遊園地。


今の今まで窓から見ていたあの遊園地だ。



「ねぇ」


遊園地なんていつぶりだろう。
ジェットコースターたくさんある。
全部乗りたい。


「ちょっと」



まずは優しめのやつでウォーミングアップだよね。
パンフレット的なやつもらわなきゃ。
3時間しかないんだから早くしよう。


「奏太!!!」


「りんちゃんもしかして乗れないの〜?」


急に大きな声が聞こえたかと思うと、泣きそうな顔で山野さんの腕を引っ張るりんちゃんさんがいた。



「ゆーちゃん!乗らないよね?」


「えっわ、私ですか…?」


そんな泣きそうな顔で言われると…むしろ乗りたいなんて…言えない…。


「乗りたそうな顔してる。りんだけじゃね?乗れないヘタレ」


困っていたらつり目さんが助け舟を出してくれた。


「しまも乗れないよね?つり目も、老いぼれなんだから乗らない方が身のためだよ!」