「めっっっっっちゃひろーい!!!!!」
部屋に入った瞬間のりんちゃんさんの大声ったら…。
「うるさっ」
私の心の声が出たのかと焦ったけど、つり目さんの声だった。
にしても、本当に広いな。
この広さなら6人でも全然平気そうだけど。
あっちも広いのかな。
「はっは〜ん。なるほどね」
「なに?」
つり目さんがなにかに気付いたらしい。
なんだろう。
「この部屋、禁煙だってさ」
「あんた吸ってなかった?」
「付き合い程度にね」
なるほど!!
喫煙者とそうじゃない私たちで分けたんだ!!!
「別に分けなくてもいいのにねー」
「うるさいのがいない方が吸いやすいんだろ」
「ねぇ!それ誰のこと!?」
「1人しかいねーじゃん」
わちゃわちゃと始まった喧嘩を眺める。
りんちゃんさんって、すごくモテるんだろうな。
和室に似合わない、風情を無視した喧嘩を横目に窓の外を見てみる。
目の前に広がる海と遊園地。
いい景色だな。
ピンポーン
物思いに耽っているととってつけたようなインターホンが鳴った。
喧嘩に勝利したらしいりんちゃんさんがドスドスとドアの方へ歩いて行く。
一方、負けたつり目さんは畳の上で気絶したふりをしている。
面白いから、試しに突いてみようか。
ツンツン。
うん、しっかり貫くみたい。


