「彼女の誕プレに空気清浄機が欲しいんだけど、どれがいいの?」

どうしようどうしようどうしよう。
空気清浄機の説明なんてしたことないよ!!!
結構怖めの男の人だし焦る!


周りに先輩いないしどうしよう!!


『島田さん取れますか?』
『空気清浄機分かる方取れませんか?』

インカムで呼びかけても誰も反応してくれないいいいい。


「あんた分かんないの?早く誰か呼んでよ。誕生日今日なんだよ」


今呼んでるよおおお!!!
誰も反応してくれないんだよおおおおお!!!

「少々お待ちくださいませ…」

『荒木です、7階フロア空気清浄機分かる方お願いします』

シーン…………。

誰かああああああ。


『ガザガザ…飯島です、今そっち行くから待ってて』

ああああああ。
飯島さんんんん。
命の恩人だ………。


「お客様、今担当の者が来ますのでもう少々お待ちいただけますか?」

「なんでもいいけど早くしろよ」




「大変お待たせいたしました、飯島です。空気清浄機をお探しとのことで…」


やっと来た…。
このまま誰も来なかったらクレームに繋がって國分さんに殺されるところだった。



飯島さんが30分くらい空気清浄機の説明をしてようやく買うものを決めたお客さんにホッと息をついた。


「飯島さん、ありがとうございました…」

「いえいえ。荒木さん、分からなければこういうパンフレットを見せながらポイントを説明してあげるといいよ。さりげなく担当じゃないことを伝えればお客様も分かってくれるから」

「はい、次回から気を付けます。本当にありがとうございました」

「あたし戻るから、またなんかあったら呼んで」

「はい」