職場恋愛

「じゃ、俺運転ね。渋滞はまった分飛ばすから、シートベルトきっつきつで締めてね」



やたら眩しい笑顔を向けるつり目さん。
すっごい怖いんですけど。

今度の座席は、
助手席にりんちゃんさん。
その後ろに島田さん、山野さん。
その後ろが私と航。


りんちゃんさんのテンションも、高い。



「次のサービスエリアまで10分くらいかしらね。お腹すかせたいから歌おうかな。ねえこれ音楽流せる?流せるよね?どうやんの?」


つり目さん持参のサービスエリア集を片手に、カーモニターをピコピコ操作している。


「お前携帯コーナーのくせにできないの?ダサくね?」


つり目さんがりんちゃんさんのスマホを取って何やら操作している。


「車でしょ!?しかも、レンタカーだから!扱いに慣れてないのは当然!全くバカね!」


「ほら、これで流れる」


スマホを渡してシートベルトを締めたつり目さん。

この2人もすごく仲がいい。
最初はこの2人が付き合ってるんだと思ったんだっけ。


懐かしいな。


「きゃー!流れた!!最初から流しとけばよかった!」


「流すのはいいけど歌うんじゃねーよ」


「はぁ!?歌わないでなんで流すの?バカなの?ミジンコには脳みそがないのかなー?」


痴話喧嘩もはじまりつつ、いよいよ出発だ。