気になって見に行ってみるとテレビとかレコーダーが置いてあるフロアで頭を抱えた島田さんと私の同期の真鍋さんという女の人が涙を浮かべていた。

状況から察するに、真鍋さんがテレビを2台ほど倒してしまって更にレコーダーを1台落としてしまったところに島田さんが駆けつけてどうしようか悩んでいるところだろう。

”國分さん昨日今日くっそ機嫌悪い”

私がやらかしたわけじゃないのに冷や汗が流れる。

誰が見ても大惨事だと分かるこの状況はどう考えてもやばい。



少し遅れて逢坂さんも来て、すぐに指示を出していた。

「ここに社員が固まっても意味がない。島田と荒木さんはエアコン行って」

國分さんに伝わるのは時間の問題。
このままじゃ間違いなく逢坂さんが疑われて大激怒される。

でも私じゃ何もできないし…。

「す、すみませ…國分さ…に報告してきます…」


きっと怖いんだろう、声が震える真鍋さん。


「いや…島田ごめん、やっぱ俺國分さんのとこ行く。荒木さんだけエアコン行って。真鍋さんは俺と一緒に来て」



『忙しいところすみません、逢坂抜けるので家電ヘルプお願いします』

かなり広範囲に届く方のインカムで逢坂さんがヘルプを要請した。


島田さんが片付けをしてる間に逢坂さんと真鍋さんは事務所へ向かった。
私は1人不安を抱きながらエアコンフロアに戻った。