20分の休憩はおにぎりを2個食べて歯磨きして終わってしまった。

その間ちょくちょく起きてはあくびを繰り返していた逢坂さんは全然休めていなさそうだった。


それなのに入れ違いで休憩室に入って行った國分さんに「お前残れ」と言われていてかわいそうだなと思う。

てか、残業させたくないって言ってたの自分のくせに。

「残業…大変ですね」

私が特に残業させてしまっているけど…。

「ん?あぁ、残業じゃないよ」

と思ったら残業じゃないの!?!?
じゃあ残って何するの?
眠そうなんだから早く返してあげなよ、クソオヤジ!!

「なんかすごい顔になってるけど大丈夫?」

「え!あ!はい!」





結局何をするのか聞けないまま業務に戻った私たち。
休憩前と同じ仕事をこなす。


平日なのに夕方から混み始めてしまったけど、人は足りてるそうであっという間に上がる時間になっていた。




「1日マネージャー本当にありがとうございました」

休憩室に戻って逢坂さんに頭を下げる。

「いいえ。これで楽しく働けるようになるといいんだけど」

「が、頑張ります」


「おつかれーーーす!」

同じ時間に上がった島田さんや他の人たちが休憩室にぞろぞろと入って来て、人口密度が高くなった。

その最後尾に國分さんがいて、逢坂さんを呼んだ。

「逢坂、ちょっと来い」

返事をすることなく出て行った逢坂さんだけど、何かやらかしちゃったりしたのかな?

國分さんの機嫌も良さそうな感じではなかったし。

「心配?」

「わっ!!」

急に横から声をかけられて跳ねてしまった。

「うぉ!跳んだ!」

「な、なんですか?」

驚かせた張本人の島田さんも跳びはねてバカにしてくる。

「逢坂呼び出しって別に珍しくねーし心配すんな」

私の肩にポンと手を置いた島田さん。
私のせいで何かとばっちりを受けなきゃいいけど……。