つまり君を




 前に同学年の女子に「灘元くんとはどうなのよ」と聞かれたことがあった。どうってなにが。そう聞いた私にその子は付き合っているのか云々といって、私を唖然とさせた。第三者からはそう見えるらしい。そんな話を聞いてしまうと、適度な距離をとりたくなる。


 好意。


 それは普通に嬉しいものだ。けれど同時に怖くも思う。はっきりした確信なんてないし、ただの友達という線のほうが強そうだった。 まして、その相手が明義だなんて。



「どうしてって、考えるのよ」
「どうしてだと思う?」
「そりゃあ、友達だから」
「疑問系なんだね。そんなにわかりづらい?」
「何が」



 いっていることが食い違っているように感じた。何がわかりづらいというのか。
 ―――わかっている。ちゃんと。
 新聞をめくる私は、再び文字を辿っていく。



「嫌いなら近付かないし」



 なにいってんだこいつ。
 思わず「はっ?」という声を出してしまった。新聞などそっちのけで、明義の顔をまじまじと見た。



「たたの友達なら別に毎回毎回声をなんてかけないし、側にいったりしないって」
「へ、へぇ…」



 雲行きが怪しい。そう思った。

 まわりには誰もいないので、知り合いに見られているということはない。だが、と私は固まる。新聞に手をかけたままで。



「つまり、きみを」



 ………、その続きは今、にこやかに笑って隣を歩き「さて週末出掛けようか」等といっている明義が答えになるだろう。





2017/8/3