明日は花火を観に行くのか、もしも観に行くのなら誰と行くのか。


和佳に尋ねようと決意して、家に帰った。


花火大会は明日なのに、何にも話さないのはやはりおかしい。隠そうとしているのかもしれないし、言い出しにくいのかもしれない。


もしも和佳が彼氏と行くなんて言い出したら、どんな反応をすればいい?


「明日はどうするの? 花火観に行くの?」


不安を抱えながらも思いきって和佳に尋ねた。


彼は平日は仕事で帰りが遅いから、夕食は和佳と私のふたりで食べることが多い。いつものようにテレビを観ながら夕食を食べている最中に、軽い口調で尋ねてみた。


さも自然に言葉が出てきたように装ったけれど、本当は今しかないとタイミングを見計らった。答えを待つわずかな時間にも緊張感が高まっていく。


「うん、友達と行ってくる。帰りは遅くなると思う」


和佳は私の不安なんて知らない様子でさらりと答える。


友達って誰? 
本当は尋ねたいけれど、今はまだ勇気が出ない。