「何故、こんな大事な事を話さなかったんだ!アンタらのせいで死んでいった仲間はハデスの魔力に引き寄せられ、天国にも地獄にもいけず、この世でさまよって俺みたいなハンターに攻撃されるんだぞ!」
知らされていないが父も殺されている。
勇敢だった父は何かあると逃げるくらいなら立ち向かって死んでやると口癖のように言っていた。
今回もきっと武器になるような物を振り回して死んでいったのだと思った。

その日の夜。
ハデスは何を企んでいるのか、攻撃を仕掛けてくる気配がない。
ナムは他の者を休ませ、一人で警護していた。
「う゛ぅぅ…」
突然頭が割れそうな頭痛が襲う。
村に帰ると決めた夜もそうだった。
頭痛が治まると目の前が真っ暗になった。
「夢じゃなかったんだ…村長?いるんでしょ?」
ナムの呼びかけに笑って返す村長の声が。
だんだんと近づいてきて、手を伸ばせば届くぐらいの距離で足を止めた。
この前は真っ暗で見えなかった今回は何故か少し明るく、はっきりと村長の姿が見えた。