ハデスの指先にはシュリバ達の亡霊が村長を取り囲み、背後で死神が両手に持っている三日月型に曲がった刃をクロスさせて村長の首に突きつけている。
「ワシを殺すつもりか!」
「死を望むならな。」
村人達はただ二人のやり取りを見守る事しかできなかった。
「お前の要求は何じゃ?」
「要求?へっ、俺はただ遊びたいだけだよ。お前らみたいなクズは今すぐにでも殺してやりたいがなっっっ!…でも、辞めた。そうだ、ゲームをしよう。」
「ゲームじゃと?ふんっ。ふざけおって。」
ハデスの話を鼻で笑い、引き金を引こうとした。
ブシュッ!
死神の刃が‘獲物’を仕留めた。
口を大きく開け、見開いた目が村人達の目に焼き付く。
空中に飛んだ首はいきなり現れたもう一体の死神に粉々に切り刻まれた。
村長の骨の付いた肉片と血が村人達の頭上に降り注ぐ。
死神は刃を打ち鳴らし、喜んでいるような態度をとった。
「そんなに急がなくてもすぐ迎えが来るだろうに。他にせっかちな奴はいるか?」
ハデスの呼びかけに数人逃げようと走り出した。
「残念。」
今度はパンと手を叩いた。