「疾風(はやて)!聞いてよ!今日ね、先生に怒られてトイレ掃除させられたんだよ!」



部屋に入るなり、愚痴をこぼす。


疾風に愚痴を聞いてもらうのが、もう日課になってしまった。


いや、私はわざと疾風に聞いてもらおうとしているのかもしれない。



「あっ、茉夏(まなつ)ちゃん。今日も来てくれているのね。でも、ここは病院なんだから静かにしてね」



疾風のところには疾風の担当の看護師さんがいた。


さっきは部屋と言ったけど正確には病室だ。


疾風は半年前からここに入院している。