君の手は借りない



「あ、いえ、その…入り…ます。」


ただ少し勇気が出ないだけで…


「あっそ。」


それだけ言うと、その人はあくびをした。


どうやら動く気配はない。


これは、私が入るまで待つと言うことだろうか…


でも、待たなくても後ろから入れるのに。


「早く開けたら?


俺が入れないんだけど。」


「あ、はい…」