君の手は借りない



「ありがとうございます…」


ほぼ無意識にそう言っていた。


男子は「んー。」と、それだけ言って自分の席へと歩いていく。


それを見たあと、私も自分の席へと歩いていった。


それにしても、とても静かで、緊張しているのが伝わってくる。


私も皆と同じように黙って席につく。


ちらっと、さっきの男子をみるけど、席にはいなかった。